2006年 04月 25日
外からゲルを見ると、スゴク小さく見えます。 青い空と広い大地に、ひっそりと佇んでいるようです。 ゲルは少し薄汚れた感じですが、この広大な草原の中では、不思議に良く合います。 外から見た小さなイメージのまま中へ入ると、驚くほど広く感じます。 天窓から、光が十分に入り、明るくこざっぱりとしています。 最小限の家具や機能が詰まっていますが、雑然とした感じはしません。 壁の円状の中に、しっかりとした秩序があり、その中で家族が、最小限の原始的な生活を営んでいます。 ゲルの中で働く人の動きにも無駄がありません。 一つ一つの動作に、意味と習慣があるようで、思わず見とれてしまいます。 ドアの向こうに、異空間のような草原が広がっています。 日本の茶室のにじり口のようになっている低いゲルのドアは神聖な場所です。 両手で塞いだり、ドア枠の下を踏んだりしてはいけないようです。 外と内の境界の明快さを、強烈に意識させられました。 ゲルの内部から、外をぼーっと眺めていると、ドアの同じ世界と思えないような気がするのです。 果てしなく広がる大地と近くに感じる空と雲、そしてその中に佇むゲル。 広がりを感じさせる世界と、限られた最小限の空間の対比。 最小限の空間は、外部からは想像も出来ないくらいの広がりを持っています。 水平に広がる大地と青い空に地球の息吹きを感じ、ゲルの内部空間に小さな宇宙を感じました。
by katojun0826
| 2006-04-25 21:59
| モンゴル
|
アバウト
カレンダー
外部リンク
ホームページ
加藤淳一級建築士事務所
メールはこちらまで kato@jun-arch.com カテゴリ
以前の記事
2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 07月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 10月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 お気に入りブログ
最新のトラックバック
検索
タグ
その他のジャンル
記事ランキング
画像一覧
|
ファン申請 |
||